2022年春、銀座に店舗を構えるグッチ並木へ訪れました。
目的は、四代 田辺竹雲斎によるインスタレーションを観に行くためです。
四代田辺竹雲斎の竹によるインスタレーションの特徴は、展示後に形は無くなってしまいますが、材料である竹は展覧会終了後に解き、再利用され次の作品の一部として新たに活躍します。
今回コラボレーションしたグッチを象徴する「竹」は、戦時中の物資不足のなか竹をハンドバッグのハンドルに使ったことが始まりです。
Gucciと竹
https://www.gucci.com/jp/ja/st/capsule/gucci-bamboo-1947
1947年、戦後の伝統的な素材が不足していた時代に、グッチオ・グッチとフィレンツェの職人たちは、軽量で耐久性のあるバンブーを新しいバッグのハンドルに用いることにしました。このバッグは瞬く間に、グッチを象徴するアイテムとなったのです。

竹によってつながる両者から生み出された今回のインスタレーションはどのような構想から始まったのでしょうか?
以下より、四代 田辺竹雲斎のインタビュー記事の一部を紹介します。下記のサイトも併せてご覧ください。
https://bijutsutecho.com/magazine/interview/promotion/25624
──アートと工芸の区別あるいは融合については、どうお考えですか?
田辺父は竹工芸、母は漆工芸家に生まれたので、やはり私の根本には工芸があり、思想の根本には「守(しゅ)・破(は)・離(り)」という教えがあります。まずは四代目の田辺竹雲斎として日本の伝統を継承し、次の代につなげないといけない。いっぽうで、伝統は同じことの繰り返しでは廃れてしまうので、革新も必要です。和歌『利休道歌』にも「破るとも離るるとても本を忘れるな」という言葉がありますが、できるだけ伝統から離れながらも、初代から受け継ぐ技法や、土・自然に感謝するという精神性を大事にすることで、アイデンティティをつねに保つことが大切なのです。私が世界基準の現代アートや、NFT(非代替性トークン)、自動車、建築とのコラボレーションに取り組んでいるのはそのためです。これらは工芸家のイメージからは離れているものですが、日本独自の様々な「道(どう)」や、竹雲斎が代々守ってきたもののなかで離れたり戻ったりを繰り返すことで、竹のさらなる可能性が広がっていくのです。

四代田辺竹雲斎
本名健雄は昭和48年(1973)大阪府堺市に三代竹雲斎の次男として生まれる。幼少から竹に触れ、自然と竹を志すようになる。平成13年(2001)にアメリカ・フィラデルフィア美術館クラフトショーに招待出品し、作品がフィラデルフィア美術館に買い上げされる。その後ボストン美術館・シアトル美術館・サンフランシスコアジア美術館・大英博物館・ギメ美術館等で展覧会を開催し、作品が美術館に所蔵されている。平成24年(2012)内閣官房 国家戦略室より「世界で活躍し『日本』を発信する日本人プロジェクト」にて選出・表彰。内閣府派遣で フランス・パリ装飾美術館 アメリカ・NY MAD美術館でデモンストレーションを行う。
参考 https://chikuunsai.com/profile/

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