Richard Sapper

In March, I visited Richard Sapper’s product exhibition on the campus of the University of Art University in Tokyo. The cherry blossoms are in full bloom soon, and the weather on this day is rainy.

Richard Sapper, product designer born in Munich in 1932

After working in the design department of Daimler-Benz, he worked in Milan and continued to design furniture, personal computers, etc., before becoming a consultant for IBM in 1981 and working worldwide.

Design = Projet?

In the days when design was called a projet in Italy, it did not refer to simply designing a form, but to propose it to improve life and the environment.

(After the 80s, the word design came into use.)

The projectistas were critical of society and culture and sought to improve the environment through design.

Although not Italian, Richard Sapper approached the design with this spirit.

At the exhibition, I was able to touch a product filled with Richard Sapper’s thoughts.

This whistle kettle was the main product on display, but it is a wonderful product filled with his roots and commitment.

This kettle has a whistle on the spout and is articulated so that when steam blows out, the two pipes make “mi” and “si” sounds, and the design was inspired by the poetic sound of the siren of a ship on the Rhine that Sapper saw as a child.

I actually listened to the sound at the exhibition. With such a nice kettle, you will want to use it every day.


以下 日本語

3月に東京にある美術大学キャンパス内で行われたリチャードサッパーの展示へ足を運びました。桜が間もなく満開という季節で、この日の天気は雨。

リチャードサッパーは、1932年ミュンヘンで生まれのプロダクトデザイナー

ダイムラーベンツ社のデザイン部に就職後、ミラノで活躍し、家電や家具、パソコンなどの工業デザインを続け、1981年にIBMのコンサルタントになり世界で活躍します。

デザイン=プロジェット?

イタリアでデザインのことをプロジェットと呼んでいた時代は、単にかたちを設計するのではなく、生活や環境を良くするために提案することを指していました。

(80年代以降になると、デザインという言葉が使われるようになります)

プロジェッティスタたちは、社会や文化に対して批判的な精神を持っていて、設計を通じて環境をよくしようとしていました。

イタリア人ではありませんが、この精神をもってデザインに取り組んだのがリチャードサッパーです。

展示では、リチャードサッパーの想いがつまったプロダクトに触れることができました。

こちらのホイッスルケトル、展示のメインと言えるプロダクトでしたが、彼のルーツやこだわりが詰まった素敵なプロダクトです。

このケトルは、注ぎ口にはホイッスルがついていて、湯気が噴き出ると2つのパイプから「ミ」と「シ」の音が出るよう調音されていて、サッパーが幼少期に見たライン川の船のサイレンの詩的な音にインスピレーションを受けてデザインされたそうです。

実際に音を聴きましたが、こんなデザインだったら、毎日ケトルを使いたくなりますよね♪

動きを考慮する

以下、引用: 山﨑和彦 2023年3月24日

サッパーに学んだことの一つは、自然のように飽きないデザインをつくるための一つの方法は、動くデザインを意識すること。プロダクトが動く、インタフェースが動く、人間が動くことを考慮することです。

サッパーは、飽きないデザインをするにはどうしたら良いかを追求していました。その一つの手がかりが、「自然は飽きない」という気づきでした。当たり前なのですが、なぜ自然は飽きないのかというと、自然は常に動いているからです。「動いているものは飽きないのでないか」

というのが彼の仮説です。飽きない製品をデザインする秘訣は動きを考慮することです。自然は空も海も森も微かに動いている。微かに動いている海を見ても飽きないが、写真は場合によっては飽きてしまう。そういう動くものなら、人間は飽きないのではないか。飽きないデザインをする秘訣の一つに、動きということを考慮するのです。

アレッシィ社の9091 ケトルも、お湯を沸かすだけでなく、もちろん良い音にしたいということもありますが、デザインはそこだけではなく、蓋をあける機構の動きに、ピストルの引き金を引くようなおもしろさがあります。そして、人の動きに考慮した膨刻的なフォルムでもあります。

そして、その動きを造形に落とし込む時に、シンプルな基本造形に動きを考慮したディティールを加えることで、動きを暗示させたり、興味ある造形になっていくのです。例えば、プリオンベガ社のSoundbookのヒンジは、上面が回転することを暗示させるデザインとしました。

その小さな影刻的なディティールが飽きないことに繋がっているのです。また、アルテミデ社のTizio デスクランプのおもりの造形なども、動きを造形的に表現しているのです。

以上引用


こんな面白い発想ができるのはなぜだろう。

サッパーの性格は実際には分かりませんが、イタリアのデザイン業界におけるシステムも関係しているかもしれません。

以下、引用: 山﨑和彦 2023年3月24日

当時のイタリアではデザインを学べるところが少なく、デザインは建築の一部という考え方をしていました。アメリカのデザインが企業のマーケティングのためのスタイリング重視だったのに対して、ヨーロッパにおけるデザインでは、Superleggeraのように“構造”がとても重要なファクターとなっています。またデザインの仕組みもまったく違います。イタリアではデザイン料はもらわずに、ライセンス料をもらっていたことが多いのです。ライセンス料とは売り上げの何%かがもらえるもので、売れなければデザイナーのもとにはお金が入ってこないということになります。デザインを完成させるのに3年から5年はかけて、何度も試作を重ねるのです。そのためにも、完成度をあげて、トレンドに振り回されない永く愛されるデザインが目標になりました。日本やアメリカのデザイナーは、デザイン料なので、逆にどんどんデザインを一新していかないと食べていけないわけです。

アレッシィ社 コーヒーメーカー

以上の言葉のように、当時のイタリアではただ生み出すだけでは食べていくことが出来なかったため、品質が重要視されていたようです。

このことを読んだ時に、私はそもそもデザイナーってなんだろう とふと思いました。

それはクライアントの要望通りに手を動かす人?

それはマーケティングを軸に、間違いなく売れる設計を提案する人?

考えても答えは出ないでしょう


他にもさまざまな展示がありました。オルセー美術館の改修に携わったことで有名なガエアウレンティさんとの共同プロジェクトなどです。

別日に、イタリア文化会館でガエアウレンティの展示に行ったので、こちらのレポートもチェックしてください。

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